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失業保険の「壁」完全マップ
— 退職日が1日違うと数十万円変わる6つの境界線

令和7年8月1日改定の公式数値(厚生労働省)に基づく / 2025年4月の雇用保険法改正対応

失業保険(雇用保険の基本手当)は「もらえる金額が連続的に変わる」制度ではありません。境界線を1日またいだ瞬間に、受取総額が数十万円単位で跳ねる「壁」がいくつも仕込まれています。この記事では、退職日を決める前に必ず知っておくべき6つの壁を全部見える化します。

この記事の内容はすべてベスト退職日ツール(無料)に実装済みです。自分の生年月日と入社日を入れれば、どの壁がいつ来るか自動で検知されます。

壁①:被保険者期間の壁(10年・20年)

自己都合退職の所定給付日数は、雇用保険の被保険者期間で決まります。

被保険者期間所定給付日数
10年未満90日
10年以上20年未満120日(+30日)
20年以上150日(+30日)

たとえば月給35万円・36歳なら基本手当日額は約6,494円。加入9年11ヶ月で辞めるか、10年0ヶ月まで待つかの差は「30日×6,494円=約19.5万円」です。数週間待つだけで取れるお金としては破格です。

注意点は、期間の計算が「入社日から退職日まで」の通算であること。転職歴がある場合、前職の期間も(失業保険を受給せず1年以内に再就職していれば)通算されます。

壁②:会社都合の年齢×期間マトリクス

倒産・解雇・退職勧奨などの会社都合(特定受給資格者)は、年齢と期間の組み合わせで決まり、最大330日まで伸びます。

離職時年齢\期間1年未満1〜5年5〜10年10〜20年20年以上
30歳未満90日90日120日180日
30〜34歳90日120日180日210日240日
35〜44歳90日150日180日240日270日
45〜59歳90日180日240日270日330日
60〜64歳90日150日180日210日240日

見どころは45歳の壁。勤続20年以上の44歳(270日)と45歳(330日)では60日分——日額8,000円なら約48万円の差になります。なお法律上、年齢は誕生日の前日に1歳上がる点にも注意してください。

壁③:65歳の壁(最大級・マイナス方向)

ここが最も大きく、そして最も知られていない壁です。「65歳に達した日」=65歳の誕生日の前日以後に離職すると、失業保険は基本手当(90〜150日分)ではなく高年齢求職者給付金という一時金(加入1年以上で50日分、未満で30日分)に切り替わります。

月給30万円・勤続20年超の例では、64歳のうちに辞めれば約78万円(150日分・60〜64歳の日額計算)、65歳に達した日以後だと約31万円(50日分)。1日違いで47万円減る計算です。定年延長で65歳まで働く予定の人ほど、この境界線は必ず確認してください。

壁④:日額上限の年齢区分(30歳・45歳・60歳)

基本手当日額には年齢区分ごとの上限があります(令和7年8月1日改定)。

離職時年齢基本手当日額の上限
29歳以下7,255円
30〜44歳8,055円
45〜59歳8,870円
60〜64歳7,623円

高給の29歳なら、30歳になってから辞めるだけで日額上限が800円上がり、90日分で7.2万円の差。逆に60歳を境に上限は下がるため、59歳と60歳の境界も要チェックです。

壁⑤:賃金日額は「直近6ヶ月の平均」— 残業が減る前に

基本手当日額のベースは離職前6ヶ月の賃金合計÷180(賞与除く・残業代込み)。つまり、繁忙期の残業が多かった6ヶ月の直後に辞めるのと、閑職に異動して残業ゼロが半年続いた後に辞めるのとでは、日額そのものが変わります。また賞与は賃金日額に入らないため、賞与は「もらってから辞める」が原則です(支給日在籍要件を就業規則で確認)。

壁⑥:月末退職 vs 月末前日退職(社会保険)

社会保険の資格喪失日は「退職日の翌日」。月末に辞めると退職月まで会社の社会保険(保険料は2ヶ月分まとめて天引きだが厚生年金が1ヶ月多く積める)、月末前日に辞めるとその月は国保・国民年金に自分で加入(給与の手取りは増えるが自分で払う)。手取り重視なら月末前日、年金記録重視なら月末、と覚えてください。

【2025年4月改正】給付制限は原則1ヶ月に

「自己都合はしばらくもらえないから」と退職をためらっていた人にとって、ハードルは大きく下がっています。

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よくある質問

Q. 壁の直前で会社が退職日を動かしてくれないときは?

退職日は会社が一方的に決めるものではなく合意で決めるものです。有給消化を組み合わせて在籍期間を延ばす方法もあります。交渉が難しい場合は労働組合運営の退職代行が退職日の調整まで対応します。

Q. 自分が会社都合になるか分かりません

退職勧奨・残業45時間超が連続・賃金未払い・ハラスメントなどは、自己都合で出しても後からハローワークで「特定受給資格者」と判定される場合があります。証拠(記録・録音・メール)を在職中に確保しておくことが重要です。退職前チェックリストを参照してください。

Q. 体調を崩していて、すぐ働ける気がしません

働けない状態なら失業保険より先に傷病手当金ルートを検討してください。受給期間の延長手続きをすれば失業保険は後から受け取れます。

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